全国妖怪造形コンテストとは

全国妖怪造形コンテストとは柳田國男のふるさとの町、福崎町が開催する町おこしイベントで、柳田國男の著書『妖怪談義』にちなむ妖怪を立体造形で表現するもの。

で、読みましたよ、コレ『妖怪談義』。『遠野物語』で有名なこの人小説家というより民間信仰の研究者、妖怪好きの民俗学者なんですよね。しかも明治の人だから難しい難しい、漢字やら言い回しが。

「化け物の話を一つ、出来るだけきまじめにまた存分にしてみたい。」で始まり「けだし我々の文化閲歴のうちで、これが近年最も閑却せられたる部面であり、従ってある民族が自己反省を企つる場合に、特に意外なる多くの暗示を供与する資源でもあるからである。」と続く・・・2行目で心が折れそうに・・・注釈もたっぷりある。ただ読み進めていくと慣れるんだね人間って。しかも興味深い、いや面白い。例えば夕暮れのうすぼんやりした、いかにも妖怪が出そうな時間の「黄昏時(たそがれどき)」「かはたれ時」とゆう言葉「雀色時(すずめいろどき)」ともいう。雀がどんな色をしているかは知っているけど一言では説明できない。そもそも「たそがれ」も語源は「誰ぞ彼」「かはたれ」は「彼は誰」からきているらしい。向こうからやってくる人物の顔がよく見えない薄暗い時間帯を表す言葉であるが、これひとつとってみてもなかなかに興味深い。こんな事がつらつらとくわ〜しく各地方の方言やらをまじえて書いてある。ひとつも漏らしたくないってカンジが文面から伝わってくる。國男って妖怪オタ。

さて、造形コンテストの作品がついに完成しちゃったんで、『妖怪談義』実はまだ読み終えてない・・・